あったかいご飯を
少年事件の記録を見ていると、その少年が幼少期からにどのような環境で育ってきたか、生い立ちが記されています。やはり悲惨な家庭環境の場合が多いです。親から虐待を受けていたり、ネグレクトの母親だったり、こんなひどい親がいるのかと目を覆いたくなるようなことが書いてあります。だからといってそういった劣悪な家庭環境に居る子供が犯罪を犯してもいいわけでもなく、でも、こんな環境の中でいままでよく耐えてきたね、と思うこともあります。
先日、子供の学校で参観日があり、これから受験生として難しくなる子供と親としてどう向き合っていくかといような話の中、印象に残った話があります。
先生が、少年院の刑務官と話をする機会がありその刑務官が言ったことだそうです。
少年が立ち直れるかどうかは、幼少期に家で、台所から包丁のトントンという音や、ぐつぐつ煮る音を聞いた記憶があるかどうか、ごはんが炊けるにおいや魚の焼けるにおいをかいだ記憶があるかどうか、と。その記憶があれば、立ち直れる、帰る場所があるということを思いだすことが出来るのです、と。
そして学校の先生がおっしゃいました。
「だからお母さん、どんなに子供とぶつかっても、子供が思うようにいかなくても、あったかいご飯だけは黙って作ってあげてください、お子さんの為に作ってあげてください。それだけでいいんです。」
なるほど~。単純な私はえらく感動してしまいました。頑張ってご飯作ろう、と思いました・・・・。