親権「きょうだい不分離の原則」
先日、学校参観日で聞こえてきた会話です。
「○○くん弟がいるらしいよ」
「え?ひとりっこじゃないの?」
「別れた奥さんが下の子引き取ったんだって」
「あー、痛み分けね!!」
話をしていたお母さまがたは、納得した感じで盛り上がっていましたが、聞こえた私は違和感でした。
父親が上の子を引き取り、母親が下の子を引き取ったようです。それでまわりの人が当たり前のように「痛み分け」と納得していた場面。
痛み分けって・・親にしてみれば一人ずつでおあいこねってことで??
じゃあ子供は?
親も片方いなくなり、兄弟までも引き離される。
親権を決める時、いくつかの判断基準はありますが、子供にとって何が一番いいことか。ざっくり言うとそれに尽きます。
いろんな原則がありますが、その中に「きょうだい不分離の原則」というのがあります。
子供が大きくなって自らそうしたかったり、もともと別々に離れていた場合などを除き、きょうだいを離して育てることは望ましくありません。
某女優さんのインタビューで、「私は子供を産まない人生を選択しました。それは、自分の両親が離婚していて、きょうだい別々に引き取られ、きょうだいと生き別れたことが大きく影響しているのだと思います。」と語っていました。
離婚することは仕方ないことですし、それぞれの事情もあります。
でも、親権は、相手に対する感情ばかりや都合だけで決めてしまわず、子供にとって何がいいのか、子供にできるだけダメージを与えない選択を、親はしてほしいと思います。
きょうだいを離さないというのが、法律の世界では当たり前でも、一般の人の間では違うんだなということが、結構衝撃的に思った出来事でした。